公害環境対策部は7月22日、宮城県保険医協会研修ルームで第5回公害環境対策・会員学習会を開催しました。今回は原発問題住民運動宮城県連絡センター事務局次長の中嶋廉氏より「民間版スピーディの警告—もしも女川原発で事故が起きたら」という演題で講演していただきました。(詳細は後日掲載予定です)
講演後、島和雄公害環境対策部長より「女川原発再稼働反対アピール」が提案され、参加者の賛同により採択されましたのでその全文を掲載致します。
女川原発再稼働反対アピール1.審査書案と原発再稼働推進に反対する
九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の安全対策を審査してきた原子力規制委員会は7月16日の定例会合で「原発の新規制基準に適合している」との審査案を提出し、同日全会一致で了承しました。この新基準には事故時の防災体制や避難計画については触れられておらず、各自治体まかせとなっています。それにも関わらず、川内原発は再稼働の動きを強めようとしています。
政府並びに電力各会社ではこの動きを追い風とし、原発再稼働を一挙に押し進めようとしており、東北電力女川原発でも、一時滞っていた審査が本格化される見通しであると報じられています。
そもそも未だに福島原発事故の原因究明も後処理の見通しもできていない中での新基準を、私達は認めることはできません。ましてや安全性には言及しないという審査書案を根拠に原発再稼働を推し進めることに、私達は強く反対致します。2.女川原子力発電所再稼働に反対する
東日本大震災で、女川原発は想定を大きく上回る地震に見舞われ、外部電源5系統のうち4系統を喪失しました。更に津波による浸水の影響で冷却器が停止するなどの自体に陥りました。
東北電力側が、重油タンクの高台移設や原発周囲の防潮堤工事など震災への対策として打ち出してはいるものの、女川原発周辺の避難路整備は勿論のこと避難計画に関しても一向に進んでいません。それどころか、民間版スピーディーのシミュレーションでも明らかなように、いったん事故が起きれば女川原発周辺に止まらず、隣接県も含めた全県にその被害が及ぶことが想定できます。
県民の命と日々の生活を守るため、女川原子力発電所の再稼働には断固反対致します。2014年7月22日
第5回公害環境対策・会員学習会参加者一同