シリーズ「女川原発廃炉への道」No,49


シリーズ「女川原発廃炉への道」

岸田政権の原発回帰に反対し、再生可能エネルギーの普及を

みやぎ反核医師・歯科医師の会世話人 刈田 啓史郎

 岸田政権は、戦争を呼び込む危険な大軍拡を進める一方で、これまで取ってきた「できるかぎり原発依存度を低減していく」としたエネルギー政策を大転換して、原発の新増設をも含めた原発依存の方針にかじを切り替えました。これは、日本が地震国であり、東日本大震災時に生じた原発事故とその被災の教訓や、ウクライナでの原発建屋のミサイル破壊などを忘れてしまっているかのようです。岸田政権の地球温暖化対策の方針の中には、再生可能エネルギーの普及と並行して、原発エネルギーの普及をも含めるという、欺瞞的な内容が含まれています。科学者が教えてくれているように、原発による発電は、地球温暖化を進めはするもののそれを抑えていく働きはありません。また、岸田政権はこれまで、原発によって生まれた電力の送電を優先し、再生可能エネルギーによって生まれた電力の送電を邪魔して、原子力発電を保護し、再生可能エネルギーの普及を抑えてきました。この岸田政権の行動は、地球温暖化を阻止して人類が生き抜くためには、再生可能エネルギーの普及こそが必要だとして運動を進めている国際社会の人たちからも、強い批判を受けています。
ところで、再生エネルギー発電施設の中には、一部ではあるものの環境を破壊し、住民の生活を苦しめ、地域住民から拒否されるような危険なものができてきています。このような悪質ともいえる企業が行う再生可能エネルギーの施設が出てくることにより、「やはり原子力発電の方がよいか」という声に代わる危険があります。これには十分な注意が必要です。再生可能エネルギーによって発電された電力は、あくまでも地域還元型を原則に、地域の振興に寄与するもの、施設は環境に配慮したものが必要です。あくまでも、地域住民、企業や自治体から歓迎されるものでなければなりません。
改めて「原発回帰反対、女川原発再稼働反対、廃炉へ」の声をしっかりと上げましょう。

本稿は宮城保険医新聞2023年11月25日(1831)号に掲載しました。

This entry was posted in 公害環境対策部, 女川原発再稼働関連. Bookmark the permalink.

Comments are closed.