つれづれ日記 Lady go! 第37回


「無意識の偏見」を考える
女性部公開市民講座にご参加ください

 近年、テレビCMやインターネットのPR動画が「炎上」する事例が増えています。
 古くは、1975年にハウス食品工業(現ハウス食品)のインスタントラーメンのCMで使用されたキャッチコピー「わたし作る人、ボク食べる人」が「CM炎上」の先駆けだと言われています。このCMは「食事を作るのは女性の仕事」「男性は出された食事を食べる」という固定された性別役割分担を強調した表現が問題となり、放送中止となりました。
 実は宮城県でも2017年に公開された観光PR動画「涼(りょう)・宮城(ぐうじょう)の夏」で「炎上」を招いています。タレントの壇蜜さんが出演し、涼を求めて宮城県を旅するという内容ですが、何度も唇を強調する表現や「殿方に涼しいおもてなしをする」などのセリフが問題視されました。
 これらのCMに共通するのは、「女性はこういうもの・男性はこうすべき」「女性らしさ・男性らしさ」といった「無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)」ではないでしょうか。
 女性部では、これらの問題を深めるべく、社会学者の瀬地山角氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)を講師に、公開市民講座を10月22日に大一野村ビル(青葉区一番町2-5-1)開催します。「CM炎上」を切り口に、ジェンダーや女性・男性に関する「無意識の偏見」について一緒に考えてみませんか。ぜひご参加ください。

瀬地山 角(せちやま かく)氏
 東京大学大学院総合文化研究科教授。10年間2人の子どもの保育園の送迎を一手に担い、今でも毎日の夕食作りを担当するジェンダー論の研究者。子連れで渡米し、父子家庭も経験した。日本テレビ「世界一受けたい授業」の東大生100人へのアンケートで東大の人気講義№1に選ばれたジェンダー論の講義は毎年500人以上で立ち見が出る。
 主な著書に『炎上CMでよみとくジェンダー論』(光文社)、『お笑いジェンダー論』、『東アジアの家父長制』、編著『ジェンダーとセクシュアリティで見る東アジア』(いずれも勁草書房)、『新・知の技法』(共著・東京大学出版会)など。

本稿は宮城保険医新聞第1822号(2023.8.25)に掲載しました。

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