2022年8月 理事長挨拶


(2022年8月)

暑中お見舞い申し上げます

理事長 井上 博之

 コロナ感染拡大が止まりません。これまでにない感染拡大の中、すでに日常診療に多大な影響を被っておられる先生方もおられます。そのご苦労をお察し申し上げます。
 4月の診療報酬マイナス改定だけでなく、「リフィル処方箋」の導入や初診からのオンライン診療の解禁、歯科では金パラ逆ザヤ問題など、保険医をめぐる環境は悪くなるばかりです。それらに加えて、オンラインの資格確認システム導入義務化の政府方針が示され、それへの対応に悩んでおられる先生も多いと聞きます。政府が骨太の方針に盛り込むなど、無理やり強引に健康保険証廃止に持ち込もうとしています。当会は、医療現場を混乱させるオンライン資格確認システム導入義務化と健康保険証廃止の強制に抗議し、政府へ声明文を送付しました。

 今年の夏は例年にも増して戦争と平和の問題を考えてしまいます。ロシアによる無謀なウクライナ侵攻から間もなく半年を迎えようとしています。全世界の「戦争止めて」の声もむなしく、戦火は止む気配がありません。始まってしまった戦争を止めるのはとても難しいことのようです。
 日本国民の意識も変わったと報じられたりしています。朝日新聞の世論調査を見ても「憲法改正」を求める人が増えています。でもよく見ると、憲法9条改定には反対59%、賛成33%です。他国の事態を見て、「日本も軍事力を強化すべき」と考えた人もあったようです。それにもかかわらず、憲法9条は国民の中に根付いてきたのでしょう。二度と戦争したくないという想いがその背景にあります。
 戦後77年間、日本は一度も戦争をしないできました。憲法9条が歯止めになって、直接戦争に関わることができなかったのです。しかし今、政府や与党そして野党の一部までもが軍事力の増強に走ろうとしています。8月6日、9日、15日にあたり、改めて世界と日本の平和をしっかり考える機会としたいものです。

 

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