シリーズ「女川原発廃炉への道」No,30


シリーズ「女川原発廃炉への道」

原子力を自在にコントロールできる技術レベルには程遠い

内科・仙台市 佐藤 行夫

 私は、女川原発再稼働に反対なのはもちろん、すべての原発を廃炉にすべきと考えます。理由は簡単です。現在の科学技術は、原子力を自在にコントロールできる水準には程遠いと思うからです。
 太古から人類は火を使ってきました。分子の変化によるエネルギーを利用してきたわけです。200年くらい前から電力を利用することができるようになりました。電子の流れをエネルギーとして取り出したわけです。
 しかし、核分裂の連鎖を制御するのに、現在の技術はあまりに原始的低レベルにみえます。何千本ものパイプを張り巡らしたり、複雑になるほど不具合の発生の可能性も高まるように思えます。自在に安全にコントロールできるようになるためには、これまでとは格段に質的に高度な科学技術の進化が必要ではないでしょうか。あるいは永遠にそこまで到達できないのかもしれません。
 このたびのロシアのウクライナ侵略で、原発の危うさが改めてクローズアップされました。テロ対策どころか、原発にミサイルや爆弾が落とされたら、それこそ世界中が惨憺たることになってしまうのではないでしょうか。
 というわけで、難しい理屈抜きで原発はすべからく廃炉にすべきと考えます。

 

本稿は宮城保険医新聞2022年5月25日(1782)号に掲載しました。

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