保険でより良い歯科医療を求める請願署名「学童にも『明眸皓歯』の夢と希望を!」(2021.10.5)


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学童にも「明眸皓歯」の夢と希望を!

理事 五十嵐 公英

 成人の歯科治療に非金属のCAD/CAM冠が保険適用になった。条件さえ合えば第1大臼
歯まで全部白い被せ物で治療でき、もはや一昔前の金属冠を選択する患者さんはいない。例え奥歯が欠けていようが、凸凹のない白い歯をアピールできることは最高の自己満足であろう。SNS のご時世にあってはなおさらのこと「見栄え」が重視され、老若男女を問わず、フェイクであっても目指すは「明眸皓歯」である。
 一方、学童期の子どもたちの口元は若干事情が異なる。この時期、乳歯から永久歯へと歯の交換が生じるため前歯が欠けたり、左右で伸びがチグハグな歯並び・噛み合わせとなり、異常が生じやすくなる。令和2年度の学校歯科保健調査で「歯列・咬合に異常」がある小学生は4・9%、中学生は5・2%で、虫歯に次いでり患者が多い疾患であり、厄介なことに自然治癒し難いため毎年、学校からの要診査項目になってくる。学校健診における早期の指摘は健全な永久歯列・咬合育成の観点からみて非常に有意義なことであり、また、不良習癖、口呼吸やアデノイドが噛み合わせ異常の要因になっていることもあり、学童の総合的な心身の育成のためにも重要である。にもかかわらず、歯並び・噛み合わせの異常は健康保険の対象でないが故に、治したくても諦めてしまう現実がある。
 「矯正治療に保険拡充を求める」国会請願が採択された。専門家集団が遅れを取るわけにはいかない。子どもたちの笑顔と未来のために、今こそ広く合意に向けた議論をすべきである。

本稿は宮城保険医新聞2021年10月5日(1762)号に掲載しました。

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