新型コロナウイルス感染症対策「地域医療の崩壊を防ぐための緊急支援を求める要望書」 国、宮城県、仙台市へ提出


新型コロナ感染症対策
地域医療の崩壊を防ぐための緊急支援を求める要望書
国、県、仙台市へ提出

 新型コロナウイルス感染症対策に関して、当会は以下の要望書を提出しました。

 

内閣総理大臣 安倍 晋三 様
財 務 大臣 麻生 太郎 様
厚生労働大臣 加藤 勝信 様
経済産業大臣 梶山 弘志 様

2020年5月15日
宮城県保険医協会
理事長 井上博之

新型コロナウイルス感染症対策

地域医療の崩壊を防ぐための緊急支援を求める要望書

前略 新型コロナウイルス感染症対策に対するご尽力に敬意を表します。

宮城県保険医協会は、4月15日から宮城県内の医療機関4785件に「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査」を実施し、5月10日までに217件の医療機関から回答を得ました(回収率4.54%)
集計の結果、9割の医療機関が昨年同時期と比較して患者が減少していることが明らかとなりました。また、およそ8割の医療機関が3月または4月(見込み)の医業収入が前年同月と比較して減少していました。その中で医業収入が、「10%以上減少した」医療機関は63.6%でした。患者が減った割合では、「30%以上〜50%未満」が25.0%、「50%以上〜70%未満」が17.9%と4割にのぼりました。
医薬品や衛生品等の確保状況について、防護服は60.8%、ゴーグル・フェイスシールドは47.9%の医療機関が「全くない」と回答しました。そのような状況で、動線分離や別室診療などの対応で、発熱患者の診療にあたっている現場の実態も調査から明らかとなりました。
政府は新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れた医療機関に対しては診療報酬の上乗せを決定しましたが、感染リスクと隣り合わせで診療にあたっている地域の医療機関に対する支援が必要です。このまま患者の受診減と医業収入の減少により医療機関の経営が困難な状況が続けば、閉院や休業、従業員の解雇を検討する医療機関が激増し、医療崩壊が引き起こされる恐れがあります。医療崩壊を阻止し、地域医療を守るためには医療機関の減収を補塡する給付金の創設が不可欠です。
この立場から当会は、下記の実施を強く求めるものです。

医科・歯科医療機関の経営破綻阻止に向けた緊急対策

一、医科・歯科医療機関が経営破綻を起こさないよう、減収分を全額補填すること。希望する医療機関には、前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求等を認めること。

一、新規開設医療機関については、赤字分を補填する特例助成を行うこと。

一、医療機関を受診した患者が、新型コロナウイルス感染者であることが判明し、診療を休止または縮小せざるを得なくなった場合の損失を補填すること。

一、従業員に支払った休業手当の助成率を、一律10/10とすること。

一、福祉医療機構の医療貸付事業や日本政策金融公庫貸付などを拡充し、使途の制限を設けず、無利子かつ10年以上の返済猶予期間を設定した特例貸付を行うこと。手続きを迅速化すること。

一、家賃について、日本政策金融公庫が家賃を肩代わりし、支払いを猶予すること。借入金の返済猶予措置をとること

一般診療継続のための緊急対策

一、公費負担により、医科・歯科医療機関のすべての職員について、新型コロナウイルス検査を、定期的に実施できるようにすること。

一、公費負担により、すべての入院患者について、PCR検査の実施と検査結果が判明するまでの個室処遇が実施できるようにすること。

一、新型コロナウイルス感染症拡大によって施設基準や研修要件が満たせない事態が発生していることから、すべての施設基準および研修要件について、別に厚生労働大臣が定めるまでの間は、要件を満たしているものとして取り扱うこと。

一.医療用マスク、消毒液、ディスポーザブルのガウン、ゴーグルやフェイスシールド、手袋などの確保を国・自治体として行うこと。

患者の医療確保

一、低所得者および収入が減少した世帯の医療保険の保険料・窓口での一部負担金の徴収を直ちに猶予し、一定所得以下については免除すること。

一、通常の国保証をすべての加入者に届け、国保資格証明書の交付を止めること。

一、無保険者をなくすこと。当面無保険者であっても新型コロナウイルス検査や通常の医療が受けられるようにし、受療案内を徹底すること。

新型コロナウイルス感染症患者対策

一、新型コロナウイルス検査の抜本的な改善を行うこと。

1)PCR検査実施可能件数の抜本的な拡大を図るとともに、医師の判断のもと迅速に実施できるようにすること。

2)発熱外来設置やPCR検査センター運営費用の全額を国が負担すること。また検体採取に必要な感染防御具・衛生材料等の確保を国・自治体として行うこと。

3)新型コロナウイルス抗原検査・抗体検査についても早急に保険導入・公費負担対象とし、精度向上を図ること。

一、新型コロナウイルス感染症患者の入院治療を担う病院への十分な手当てを行うこと。

1)人員配置および設備配置に見合って、診療報酬の更なる引き上げを行うこと。

2)新型コロナウイルス感染症患者の治療・看護に必要な感染防御具・衛生材料等の確保を国・自治体として行うこと。

3)空床確保に対する補填を行うこと。

一、治療薬・ワクチン開発を国として責任をもってすすめること。

感染症対策の抜本的強化

一、病院の再編・統合計画、地域医療構想に基づく急性期病床を中心とする病床削減は直ちに中止すること。地域医療構想を前提とした医師・看護師需給計画を抜本的に見直すこと。

一、保健所数の拡大と適切な配置、人材の確保等、改善を図ること。

一、国立感染症研究所を機能強化するなど、感染症に対応できる仕組みを構築すること。

 

宮城県知事 村井 嘉浩 様

2020年5月19日
宮城県保険医協会
理事長 井上博之

新型コロナウイルス感染症対策

地域医療の崩壊を防ぐための緊急支援を求める要望書

前略 新型コロナウイルス感染症対策に対するご尽力に敬意を表します。

宮城県保険医協会は、4月15日から宮城県内の医療機関4785件に「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査」を実施し、5月10日までに217件の医療機関から回答を得ました(回収率4.54%)
集計の結果、9割の医療機関が昨年同時期と比較して患者が減少していることが明らかとなりました。また、およそ8割の医療機関が3月または4月(見込み)の医業収入が前年同月と比較して減少していました。その中で医業収入が、「10%以上減少した」医療機関は63.6%でした。患者が減った割合では、「30%以上〜50%未満」が25.0%、「50%以上〜70%未満」が17.9%と4割にのぼりました。
医薬品や衛生品等の確保状況について、防護服は60.8%、ゴーグル・フェイスシールドは47.9%の医療機関が「全くない」と回答しました。そのような状況で、動線分離や別室診療などの対応で、発熱患者の診療にあたっている現場の実態も調査から明らかとなりました。
政府は新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れた医療機関に対しては診療報酬の上乗せを決定しましたが、感染リスクと隣り合わせで診療にあたっている地域の医療機関に対する支援が必要です。このまま患者の受診減と医業収入の減少により医療機関の経営が困難な状況が続けば、閉院や休業、従業員の解雇を検討する医療機関が激増し、医療崩壊が引き起こされる恐れがあります。医療崩壊を阻止し、地域医療を守るためには医療機関の減収を補塡する給付金の創設が不可欠です。
この立場から当会は、下記の実施を強く求めるものです。また、別紙の通り国に対する要望書を提出いたしました。宮城県として、独自に策定できるものについて具体的な手立てを図るよう要望いたします。

医科・歯科医療機関の経営破綻阻止と一般診療継続のための緊急対策

一、政府の中小企業・個人事業所への給付金や無利子融資制度とは別に、医科・歯科医療機関に対して感染者発生に伴う減収および外来患者等の受診控え等に伴う減収を補填する独自の給付金を早急に創設し支給すること。

一、医療従事者が新型コロナウイルスに感染した場合の補償制度を作ること。

一、医療用マスク、消毒液、ディスポーザブルのガウン、ゴーグルやフェイスシールド、手袋などの確保を宮城県が責任をもって行うこと。

患者の医療確保

一、低所得者および収入が減少した世帯の医療保険の保険料・窓口での一部負担金の徴収を直ちに猶予し、一定所得以下については免除すること。

一、通常の国保証をすべての加入者に届け、国保資格証明書の交付を止めること。

一、無保険者をなくすこと。当面無保険者であっても新型コロナウイルス検査や通常の医療が受けられるようにし、受療案内を徹底すること。

 

仙台市長 郡 和子 様

2020年5月19日
宮城県保険医協会
理事長 井上博之

新型コロナウイルス感染症対策

地域医療の崩壊を防ぐための緊急支援を求める要望書

前略 新型コロナウイルス感染症対策に対するご尽力に敬意を表します。

宮城県保険医協会は、4月15日から宮城県内の医療機関4785件に「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査」を実施し、5月10日までに217件の医療機関から回答を得ました(回収率4.54%)
集計の結果、9割の医療機関が昨年同時期と比較して患者が減少していることが明らかとなりました。また、およそ8割の医療機関が3月または4月(見込み)の医業収入が前年同月と比較して減少していました。その中で医業収入が、「10%以上減少した」医療機関は63.6%でした。患者が減った割合では、「30%以上〜50%未満」が25.0%、「50%以上〜70%未満」が17.9%と4割にのぼりました。
医薬品や衛生品等の確保状況について、防護服は60.8%、ゴーグル・フェイスシールドは47.9%の医療機関が「全くない」と回答しました。そのような状況で、動線分離や別室診療などの対応で、発熱患者の診療にあたっている現場の実態も調査から明らかとなりました。
政府は新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れた医療機関に対しては診療報酬の上乗せを決定しましたが、感染リスクと隣り合わせで診療にあたっている地域の医療機関に対する支援が必要です。このまま患者の受診減と医業収入の減少により医療機関の経営が困難な状況が続けば、閉院や休業、従業員の解雇を検討する医療機関が激増し、医療崩壊が引き起こされる恐れがあります。医療崩壊を阻止し、地域医療を守るためには医療機関の減収を補塡する給付金の創設が不可欠です。
この立場から当会は、下記の実施を強く求めるものです。また、別紙の通り国に対する要望書を提出いたしました。仙台市として、独自に策定できるものについて具体的な手立てを図るよう要望いたします。

医科・歯科医療機関の経営破綻阻止と一般診療継続のための緊急対策

一、政府の中小企業・個人事業所への給付金や無利子融資制度とは別に、医科・歯科医療機関に対して感染者発生に伴う減収および外来患者等の受診控え等に伴う減収を補填する独自の給付金を早急に創設し支給すること。

一、医療従事者が新型コロナウイルスに感染した場合の補償制度を作ること。

一、医療用マスク、消毒液、ディスポーザブルのガウン、ゴーグルやフェイスシールド、手袋などの確保を仙台市が責任をもって行うこと。

患者の医療確保

一、低所得者および収入が減少した世帯の医療保険の保険料・窓口での一部負担金の徴収を直ちに猶予し、一定所得以下については免除すること。

一、通常の国保証をすべての加入者に届け、国保資格証明書の交付を止めること。

一、無保険者をなくすこと。当面無保険者であっても新型コロナウイルス検査や通常の医療が受けられるようにし、受療案内を徹底すること。

 

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