(2018年12月)
2018年を振り返って
理事長 井上 博之
今年一年、宮城県保険医協会が行ってきた数多くの取り組みを、何点かにわたって振り返ってみたいと思います。現状に満足することなく、会員1650名による、会員のための活動をさらに発展させることが求められているのだと認識しています。
もっと多面的に連携の発展を求めて
宮城県保険医協会は、他団体との連携や協力を追求してきました。8年目を迎えた東日本大震災復興支援の諸課題や、国連での決議を契機にして盛り上がる反核運動の一翼を担う活動にも取り組んできました。
診療報酬、介護報酬改定に臨んで
診療報酬改定は本体が辛うじてプラスでしたが、あまりにも低すぎる改定に、不満や批判の声が上がりました。歯科会員のアンケートを実施しましたが、経営改善になったとの回答は、わずか9%でした。
春の会員拡大・共済普及月間で入会多数
医科・歯科合計で37名の新入会員を迎えることができました。保険医協会への期待が高まっていると受け止めて、会員要望にしっかり応えられるようにしていかねばと思いました。
5月26日に総会開催
特に異議も無く活動報告と活動計画が採択されました。新聞部を広報部へと変更することについても承認されました。記念講演は本川達雄氏による「人間にとって寿命とはなにか」で、生物学者の目で見た含蓄ある話でした。
勤務医会員の活動を強化
医師の働き方改革や地域医療の深刻さが議論される中、勤務医会員懇談会を開くなど、取り組みを強めてきました。医科・歯科ともに勤務医会員が増えていることに対応した活動の工夫が求められています。
消費税率10%への引き上げに対応
来年10月に予定されている、消費税増税は健康格差をさらにひどくすることが心配されており、認めることのできない愚策です。ですが、それに備えて、医療機関の損税対策にゼロ税率を求める必要が生じました。
女川原発再稼働について県民の関心高まる
「再稼働は県民の意見を聞いてからにして!」との声を、住民投票条例制定直接請求の署名に託す民主主義運動が進んでいます。既に法定数を超える署名が集まっていますが、今後、県民投票実現を期待します。
改憲問題にも会員視点で取り組む
念頭に安倍首相が改憲に意欲を示す発言をしたことから、にわかに国民的議論が沸騰しました。保険医協会活動の対象外ではないかとの意見もありましたが、保険医新聞にシリーズで会員意見を掲載し好評でした。
改めて会員のための協会活動を
いつも原点に戻って点検してみる必要があります。医療運動では、署名運動よりもクイズハガキの取り組みに参加する会員が3倍もありました。保険医新聞の毎号に織り込まれた読者アンケートへの返信が相次ぐようになりました。会員あっての保険医協会です。この路線は来年も不変です。
1年間大変お世話になりました。ありがとうございました。